外出自粛が求められる中、あなたの脳が求めるもの
外出自粛が叫ばれるようになって久しい。
おうち大好きな妻からまさかの「自宅に飽きた」発言が飛び出したことで異変を察知した私は、人類を救うべくブログを書くことにした。
手早く症状を改善でき、経済的で、想像をはるかに超える満足を人類にもたらしてくれる対策を私は知っている。
このブログを読んでくれた人が少しでも楽しく(長く)自宅で過ごすことができたなら至上の喜びである。
この記事のまとめ
長期の外出自粛の、何があなたを蝕むのか
在宅勤務や本格的な外出自粛がはじまってからどのくらい経っているか、
事情も影響も人によって異なるところだと思う。
インドア派な私ですら、1ヵ月の外出自粛で変化の無さに疲れを感じ始めた。
つい先ほど自粛ストレス解消のためにステーキを食べてきたが、この程度の外出で完全に解消されるものではなかった。
— 567 (@_329_) 2020年4月11日
どこまで外出すれば人類は満足できるのだろうか。
程度は人によって異なるだろうが、想像の限界まで外出できれば不足することはないだろう。大は小を兼ねるのだ。
想像の限界まで外出する方法を私は知っている。
SF小説だ。
この記事では、ニーズ別に、3種類のSF小説をオススメする。
想像の限界まで外出できるSF小説(長編)
私が知る限り、想像の限界まで外出できるSF小説は「天冥の標」だ。
全10巻17冊というボリュームの中で訪れる場所は宇宙の遠いところまで、かかる時間は1万年だ。
外出自粛中に、ベッドの中からでも始まる旅のスケールとしては注文を付けられないほどの規模ではないだろうか。
「SF満漢全席」と言われるほど多くの要素を持つ小説だが、挫折する可能性は限りなく低い。
作者の小川一水先生は「わかりやすいメインテーマを提示する」スタイルが特徴的な方で、(どの作品も)普段SFを読まない人でも読みやすい内容になっているからだ。
メインテーマに関しては読んでからのお楽しみだが、物語はある惑星における「防疫」の話から始まる。
「架空の感染症からはじまるアレコレが、大気圏や世代を超えて歴史を紡ぐ小説」が、天冥の標の最も荒い紹介になるだろう。
物語の中に「推しキャラ」を見出すタイプの人には特に強く勧めたい。
推しキャラの先祖や子孫が織りなすアレコレを何世代にも渡って見守ることができる。
人間の活動だけに注目しても数百年のスケールで描かれるので、様々面白いことが起きる。
「あのときアイツがああ言ったから宇宙が大変なことになってるんだが」
「あの言葉が数千年後に曲解されてるんだが」
「語源はおろか発音すら伝わり方があいまいなんだが」
こんな具合だ。
「SF当たり年」であった2019年のSF大賞に選ばれた作品でもある。
決してクソ映画が好きな男が己の好みを押し付けるために選んだ小説ではない。
追記 合本版が出たらしいぜ
そういえば天冥の標のKindle版が、17冊合本一万円となりましたので、よろしくお願いします。https://t.co/7D61cQa2Md pic.twitter.com/KpBe0G30ao
— 小川一水 (@ogawaissui) 2020年4月12日
想像の限界まで外出できるSF小説(短編)
想像の限界まで外出する小旅行に適した作品は「なめらかな世界と、その敵」(略称:なめ敵)だ。
「なめ敵」で訪れる場所は、(月並みな表現だが)6つのまったく異なる世界だ。
「ゼロ年代SFツアー」のような小説で、短編の良さが十二分に詰まっている。
発売当時「最初の1行で誰もが混乱し、数ページ読むと誰もが作者の才能に驚愕する」などと言われていた本だ。
表題作は変わらぬ自宅の光景に飽きた方には本当にオススメな話で、読む前と後で自宅が(世界が)まったく違ったもの見えるだろう。
こういった感覚をSF業界では「センス・オブ・ワンダー」などと呼ぶのだが、表題作はもっとも簡単にセンス・オブ・ワンダーを感じることができる作品のひとつだと思う。
一度味わうとクセになり、センス・オブ・ワンダーを探して何冊もSF小説を読んでしまう非常に厄介な感覚だ。
SF当たり年におけるSF大賞の最終候補に残った作品なので、こちらも安心して買って欲しい。
私は表題作に加えて「美亜羽へ贈る拳銃」が好きだ。
このラストは、この設定でしか書けない。
現在セール中のSF小説
現在も現在、2020/04/13までAmazonで 春のハヤカワ電子書籍祭 が開催されている。
最後にセール対象SF小説の中からオススメ作品をピックアップしておく。
半額、限定を賢く選んで旅行したい方にはオススメの選択肢だ。
面白すぎてオバマ大統領が「続きをくれ」と作者にメールを書いた「三体」
少し異色なファンタジーかと思いきやしっかりSFしてる零號琴
多くの「ハーモニーおじさん」を生み出した「ハーモニー」
世界の終末に備えるマンションの話「我もまたアルカディアにあり」
まとめ
- この機会にSF、読み始めてみませんか